こんにちは。
今回はWaves社のピッチ補正プラグインである、
Waves Tune Real-timeについて簡単な使い方と実際に使用してみた感想を紹介したいと思います!
なかなか画期的なプラグインです。
だいぶ出遅れた紹介になっている気がしますが情報はかなり少ないので紹介します。
とはいえ2016年に発表されたプラグインのようなのでWavesでは比較的新しいですかね。
Wavesのピッチ補正といえば普通のWaves Tuneがありますが、こちらとは違いなんと音声を入力するとリアルタイムでピッチを感知し補正した状態で出力してくれます。
まさに未来的ピッチ補正。
こちらはライブでの使用も想定されていて(こっちがメインかな??)ボーカルが歌う際にWaves Tune Real-timeを通すと多少音痴でも音程が正確になって出力されてしまうのです。あらゆるライブ用ミキシングコンソールで動作するそうです。
またDTMなどの音楽制作におけるピッチ補正プラグインとしての使用もしっかりとできます。
こういうのがあると思うとボーカルの歌のうまさはあまり重要でなくなってくる気がしますね。
声の質や何かしらの個性が必要になりそうです。
ではみていきましょう!
CONTENTS
Waves Tune Real-timeの特徴
Wave Tune Real-timeはWavesが販売するピッチ補正プラグインです。
ボーカルが歌っている際に同時にリアルタイムでのピッチ補正が可能という画期的なプラグインとなっています。
- ボーカルのピッチをリアルタイムに自動補正
- 超低レイテンシー仕様による素早いレスポンス
- スタジオ/ライブに最適化された設定
- 先進のフォルマント補正により自然なボーカルサウンドを保持
- 自然なビブラートの動きを保ちながら正確な補正が可能
- ケロ声を始めとする、クリエイティブなピッチクオンタイズ・エフェクトも可能
- MIDIシーケンス/演奏を介してピッチ補正のノートを入力可能
- MultiRack SoundGridを介して対応のライブ・コンソールでも使用可能
- SoundGridアプリケーションに対応: StudioRack, MultiRack, eMotion ST, eMotion LV
詳しくはこちらにあります。まあかなりシンプルなプラグインなのでそこまで気にしなくても大丈夫です笑
文字通りリアルタイムでピッチ補正をしてくれるだけです。
Waves Tune Real-Time | Media Integration, Inc.
動画のチュートリアルもあります。
Waves Tune Real-timeの使い方
とても簡単です。
なんですが私自身簡単にしか使えてないので、一部はパラメータは省きます。
画像を見るとわかるのですがWaves Tuneを使ったことがあればすぐに使えそうな構成になっていますね!
そしてWaves Tuneよりわかりやすい。
使い方を知ることによってどのようなプラグインかも見えてきますので検討している方も見ていただければ幸いです。
とりあえず画像の主要パラメータから使い方を見ていきましょう!
Formant correction
右上のFormant correctionはピッチ補正と同時にフォルマント補正を行うかという項目です。
Formant correctionはボーカルのピッチ補正をする場合に不自然な状態になることを避けるためにあります。
Correctedでフォルマント補正がONになります。
ボーカルに使用する場合は通常 Correctedの状態でいいでしょう。
SPEED
音の補正速度を設定できます。
値が小さいほど修正速度がはやくなりピッチが平坦になってきます。
NOTE TRANSITION
異なるピッチの境目部分についての設定です。
速ければ速いほどピッチが移り変わる際のクロスフェードする部分が急になり、値が大きめだと滑らかにつながります。
Range
Rangeでは音域についての設定ができます。
Bassを選択すると低めの音域だけを感知し、Sopranoでは高めを感知します。
これは余計な音を補正しないで正確なピッチ補正をするために設定します。
高音まで使う男性ボーカリストはGenericになってしまいますね。
Scale
ここで使用する曲のキーを選択することでそのキーの中での補正をしてくれます。
ABC……とメジャーやマイナーなど選択できます。
なのでここと曲のキーさえ合っていれば音楽として成立します。
まあ大体こんな感じですが、一般的なピッチ補正のパラメータがよりシンプルに搭載されているという印象ですかね。
Waves Tune Real-time ケロケロボイスの作り方
とりあえずキーの設定をします。音程を過剰にあわせることで作るサウンドなのでキー設定がないと意味がありませんね。
その後SPEEDとNOTE TRANSITIONを最速にします。
そしてボーカルを再生すればケロケロボイスになります。
簡単ですね。ケロケロボイスもほかのピッチ補正ソフト同様作れます。
Waves Tune Real-timeのレビュー
さて、ここまでWaves Tune Real-timeの使い方についてみてきましたがパラメータ類は基本的にWaves Tuneと同じです。
リアルタイム版で画面が見やすくなったバージョンですね。
ここではそんなWaves Tune Real-timeの使用感を紹介していきます。
使い勝手
第一印象は「とても簡単」というものでした。
私は一応ボーカリストでもあるのでWaves Tune Real-timeを自分で試してみました。
まずオーディオトラックを立ち上げ、Waves Tune Real-timeをインサートしてみました。
そして音声モニタリングを開始するとすぐにピッチ補正を始めてくれます。
適当な声を出せばCとかD#みたいに表示してくれます。以下の画像ではF付近の声を感知して補正してくれていますね。
いくつかパラメータがあるので設定したように補正をしてくれます。
以上。本当にこれだけで補正してくれます。
このように使い方としてはかなり簡単な印象です。他のピッチ補正ソフトよりシンプルです。
そして実際に歌っているときは補正された音程を確認できないので、今度はライブではなくレコーディング後のピッチ補正という工程での使用です。
補正したい音声データのあるトラックにWaves Tune Real-timeを入れ、キーの指定をすると再生時にリアルタイムに補正してくれます。
全く遅延もなく普通に補正してくれます。
なので、
レコーディング→音声ファイルにWaves tune Real-timeを使用→ボーカルだけ書き出し
とやれば単純に補正されたボーカルの音声ファイルが作れます。
とくに細かい操作はなく補正してくれるのでとても簡単です。
本当に当然のごとくリアルタイムで補正してくれるのでいうことも特に無いですねw
ただやはりリアルタイムというだけあってタイミング補正や細かい調整などはできないので、あくまでボーカルのピッチ補正のためだけに使うことになりますね。
がっつり音源制作でボーカルのピッチ補正をしたいのであれば自由度が高い同社のWaves tuneやその他ソフトの方がいいかもしれません。
もしボーカル処理のプラグインをこれから集めるという場合はこちら↓↓もオススメです。
Nectar3 レビュー 自動ボーカルミックス ピッチ補正も普通にWavesの安いピッチ補正を探しているのであればこういったバンドルもいいかもしれませんね。↓ (Waves Tuneを含む)
Waves Tune Real-timeの音
昔から存在するWaves Tuneの方は他のピッチ補正プラグインと比べると音が自然だという評判ですが、Waves Tune Real-timeも同じような自然なピッチ補正という印象を受けました。
ピッチ修正のクオリティはWaves Tuneと同様で高いです。
補正してる感があまりないように設定すれば違和感なく補正されたボーカルトラックに仕上がります。
またケロケロボイスも作り出せます。
しかしこちらもガッチガチのケロケロボイスというよりなんとなく少し緩いですかね。
DTMでボーカルの音程補正をする場合に簡単操作で自然な音での補正をしたい場合はこちらは有効です。
Waves Tuneのような自然な音が好みであればいい感じですよ。
どんな人におすすめか
Waves Tune Real-timeはなんというか使えそうで使わないプラグインなんですよね。笑
レコーディングした後に加工するならやはり他のものの方が良いですし。
私はライブもしないし。
そうなると使うべき人は、ライブで使う人か特に調整することなくリアルタイムで簡単操作で補正して欲しい人かになってくるでしょう。
ピッチ補正の実力は素晴らしいものがありますがピッチ補正用プラグインとしては自由度がちょっと低いかな…….
単純にリアルタイムでのピッチの補正しかできないのでそのあたりは押さえておいたほうがいいですね。
Waves Tune Real-timeの値段・買い方・セール情報
どうやら現在の定価は8000円程度のようです。(2019年6月現在)
これを含むバンドルはWaves Mercuryだけです。
Waves Mercuryとか買う人いるの??????
パッケージ版は無く楽天、SONICWIRE、Rock on、メディアインテグレーションなどから購入できます。全てダウンロード版ですね。
セールはWaves特有の短期セールや長期のセールもよくやっているようです。
私が購入したときは4800円で販売されていて一ヶ月くらいはこの値段の期間がありましたので、おそらく他のもののセールをやる時と同時にこちらもやっているのかもしれません。
メディアインテグレーション
Waves Tune Real-Time | Media Integration, Inc.
Sonicwire
プラグイン・エフェクト 「WAVES TUNE REAL-TIME」 | SONICWIRE
Waves Tune Real-timeもしくはWaves Tuneがうまく動かないとき
あの、、
普通は動くんですが、
私はどちらもまったく動かなくてつらい日々をおくっていました。
(2019年3月)
で、ある日製品情報を見てみたらサンプリングレートがまさかの96kHzにしか対応していない!!
直して動かしたら普通に動き出しました……..w
もし私のような悲しい人がいたら参考にしてください。
私が使ってきたオーディオインターフェースは192kHzがデフォルトのものだけだったので予想外でしたね。
これらのプラグインは情報が少ないので無駄な時間を4時間くらい過ごしてしまいました。
終わりに
Wavesのおもしろピッチ補正Waves Tune Real-timeでした。
ボーカリストとしては嬉しいことです。
技術の進歩はすごいですね〜
ギターやその他楽器もピッチ・タイミング全て補正されてしまう時がくるかもしれませんね。
どっかの会社がギタリストなんかのクセのパターンを選択すると自分の演奏をそれに近づけて再生するみたいな新しいAI作るかもしれません。
逆に人の演奏や歌の味の部分がやっぱり良く感じてきてしまって素朴な未来的ではない感じが流行るか。
顔と声が良ければ全ていい時代になるか。
そんな感じの未来の音楽のカタチについて考えたくなるプラグインでした。
普通のWaves Tuneが入ったボーカル用プラグインバンドル