こんにちは。
TOEIC900点でも全然英語が話せないということはよく言われていると思います。
これからTOEICを受けるという方などは、TOEICで点数が取れても英語が話せるようにならないと言われてしまえばやる気が失せてしまいますよね。
はたしてこれでTOEICを受ける意味があるのか。
ということで今回はTOEIC900点とっても英語が話せない理由や、TOEICテストを受ける意義について私なりの意見を紹介します。
CONTENTS
TOEICで高得点とって英語を話せるようにならないの?
結論からいいます。
無理です。
話せるようにはなりません。
たとえ900点以上でも無理でしょう。
しかし英語力を測るテストで高得点をとっているのになぜ話せるようにならないのでしょうか。
それにはいくつか理由があります。
それぞれ見ていきましょう。
理由1. TOEICは「話すこと」はテストしていない
TOEICテストは英語のテストとはいえ、「話す」ということに関して全くフォーカスしていません。
というのも日本でよく言われるTOEICはリスニングとリーディングのみです。
TOEICの勉強でやることは聞き取りの訓練と読み取りの訓練だけです。
つまり英語を話すということに関しては全く練習していないのです。
英語の勉強はリスニング、リーディング、スピーキング、ライティングと全てやらなければ英語が話せるようにはなりません。
わけてみるとリスニング・リーディングとライティング・スピーキングとなり、この二つのグループではそれぞれ訓練すべき内容が違います。
これらは受けとる側と発信する側という違いがあります。
TOEICは受けとる側だけです。
ただここで、
「英語は英語なんじゃないの?」
と思われた方もいるでしょう。
確かに基本の文法や単語に関しての勉強範囲はかぶります。
しかし実際にテストされると、リスニングやリーディングと話すことでは考え方が大きく変わってきます。
ではわかりやすいようにちょっと解説してみましょう。
もしリスニングやリーディング、スピーキングをそれぞれテストしようとしたらどのように出題されるでしょうか?
このテストで試されることを比較するとわかりやすいです。
リスニングやリーディングは完成した文章が読み上げられるもしくは記載されますね。受験者がそれに対してどのくらい理解できるかを試しているわけです。
受験者は完成された文章をみて使われている文法や表現を把握し内容を理解します。
なので文法や単語は自分でひねりだす必要はないです。あるものに対して理解できるかという話で文章の構成の方法や「この場面ではこんな表現の仕方をする」という知識は不要なのです。
そのため、どんな文章や単語がくるかわからないので幅広い知識を身につけていなければ知らないものに対応できません。しかしただ意味を知っていればいいのでかなり浅い知識でもなんとかなります。
特にTOEICでは問題が4択なので「なんとなくそう感じたから」という程度でも正解できますのでいかに浅い知識で大丈夫かわかります。
これらはリスニングのための英語音声と単語帳さえあれば勉強することは可能です。
ではこれに対して「英語を話すこと」についてのテストはどうでしょうか。
話す場合はお題に沿って自分で文章を構成するというテストになりますよね?
こちらは自分で知っている文法や単語を駆使して文章を構成していきます。
そのためただ知っているというだけの単語や表現や単語に関しては全く使うことができず、自分が練習してきて使う場面もしっかり把握している知識しか使うことはできません。
いくら沢山単語を知っていたところで実際に会話で使うとなるとでてこないですよね。
断片的にしかでてくることはなく英語を話せたという感覚ではないでしょう。
このように「ただ知っている」というだけの知識は英会話ではつかえず、それぞれの単語をどの場面で使うか・細かいニュアンス・感情・前置詞などまで知り尽くした上で使用しなければなりません。
そのようなところを知り尽くすには実際に会話したり英会話用の書籍などで勉強したりとしなければなりません。
話すということは相手がいる前提ですからね。
いかがでしょうか?
なんとなく違うことが伝わりますか?
このようにトーイックのリスニング・リーディングと「実際に英語を話す」ということでは違う訓練が必要なのです。
なのでいくらTOEIC L &Rの勉強をしても900点とっても英語をしっかり話せることはありません。(TOEIC Speaking&Writingもありますよ)
勉強する範囲が違うので英語が話せないのは当然と言えますね。
理由2.TOEICと日常会話では必要な知識が全然違う
TOEICと日常会話では覚えるべき知識が全く違います。
TOEICで使われる英語はとってもフォーマルなもので主にビジネスで使われるものたちす。
なので日常会話のための勉強にはならないのです。
日常会話とビジネスでの会話は日本語でもイメージできるでしょう。
友達同士で常に敬語で「お世話になっております〜」なんて言っていたらアホですよね。
TOEIC的な英語は仕事での場やニュース、新聞、広告などで見られるフォーマルな場で使われるものです。
仕事での場といってもTOEICの範囲は部下から上司とか取引先への対応、顧客対応がほとんどで同僚との気軽な会話はほぼありません。
それに対して日常会話ではもっとラフで簡単な言い回しが多いですよね。
TOEICでビジネスで使える難しい英語を知ることができても、もっと基本的なところが抜け落ちているわけで日常会話としてはTOEICは役に立たないのです。(そういったところを勉強しなくてもTOEICでは点数が取れる)
TOEIC的に話せばいいのでは?とも思えますがそれに関してはそれぞれの自由ですが、「英語を話す」という行為の大部分は気の知れた仲間、家族などでしょうしここまでの話を理解してそうしたいとは思いませんよね。
これは受験勉強でも同じことが言えて、受験で良い点数がとれても英語が話せないのは日本の受験英語が難しくて実用的ではないからです。実際に受験英語で英語圏の人と会話すると笑われるというエピソードはネットを漁っていればいくらでもでてくるでしょう。
このようにTOEICを勉強しても話せるようにならないのは日常会話のための知識をつけていないからというのもあります。
TOEIC 未経験者が半年以内に800点のために 認識の改革
理由3.細かいところばかり気にしてしまう
理由はまだあります。
TOEICでは実際に英語を話す場合よりも細かいところを気にしなくてはなりません。
なので会話するときも細かいことを気にするクセがつき、実際に対面して話すと言葉に詰まってしまうのです。
まあ4択なので受験ほど細かいわけではありませんが、TOEICでのいくつかの問題では単語の特別な意味や文法上の理由での省略などを気にしていなければ正解できません。
このあたりは900点取る上では欠かせない部分になってきますが、実際の会話ではそんな小難しいことはあまり気にしないのです。
別に時制が過去になっていなかろうが、DoがDoesじゃなかろうが話していれば大体文脈で伝わる訳で会話なんてそんなもんです。
実際に日本語でもそのあたりが適当でもいちいち文句は言いませんし、伝わりますよね。
実際に英会話をしてみてもちょっと間違えたところで察してくれますし、わからなければどういうことか聞いてくるでしょう。
これは受験英語にも言えますね。
そして細かいことを気にしなければならないTOEICや受験に慣れてしまうと細かいことばかり気にするあまり英語を口に出すことすらできなくなってしまいます。
英語を話そうとしても常に正確な答えを探すクセがついてしまい、言葉にできないのです。
これに関してはよく言われていて、日本の英語教育がかなり悪影響を及ぼしているのでもし受験英語などが点数がよく自身がある方は注意が必要です。
自分の英語の知識が話すことにつながるか見直しつつ学習していきたいものです。
TOEICを受験することの意義
ここまでTOEICを極めたところで英語が話せるわけではないことについて解説してきました。
これを見たみなさんはもうTOEICの受験をためらってしまうでしょう。英語が話せないなら当然ですね。
しかししっかりとTOEICを受験することで得られるものもあるのです。
ここではそれについて紹介していきましょう。
リスニングとリーディングができるようになる
超単純な話ですが、先ほどと逆でTOEICができればできるほどリスニングとリーディングに強くなりますよね。
とにかくTOEICでは英語を大量に聞き取って読み取る訓練をするわけですが、そうなるとやはりネイティブが話していることもだんだん聞こえてきますし読む速度も速くなってきます。
これは結構嬉しいことです。
私自身は音楽をやっているのでそのためのソフトウェアなどを海外サイトから購入することもかなり多いです。
で、そこに出てくる英語っていうのはかなりTOEICに近くて私にとっては読みやすいんですよね。そういったサイトもビジネスの場ですからね。
そのおかげで海外の安くて良いものが手に入るサイトを怪しむことなく利用できるのです。
またそこで購入した英語マニュアルもなんとか読むことができますので使用時もこまりません。Google翻訳を使ってもいいですがやはり自分で読んだ方が安心感はありますよね。
個人的な話ではありますがこのようにTOEICのおかげでいいこともあります。
また私は英語学習の一環でもありますが海外ドラマをよく見ていて、それの英語をある程度は聞き取れるので字幕ではわからない英語圏の感覚での表現なども聞いて楽しめています。とくにジョークなどは字幕だとわからないニュアンスがあったりするので面白いです。
あといまではもう実写のものだと吹き替えは違和感がすごくてみたくないですね。
こんな感じで話すことはできませんが、確実にリスニングとリーディングという点ではネイティブに近づいているのです。
また私のエピソードのように自分の行動の幅、なんなら人生の幅も広がることでしょう。
TOEICのための勉強は英語を話すための基礎となる
TOEICのための英語学習は英語を話すための基礎となります。
簡単な部分で言えば中学レベルの単語や文法の理解はTOEICの勉強でもできますので、今後英語を話すための訓練をしようという時にも有効です。
またTOEICの勉強をしている時には英語に関して様々な気づきがあります。
英語の雰囲気や日本語との違いなど意識すれば色々と今後の勉強に役立つことがわかってくるのです。
こういった基礎的な知識や英語についてTOEICである程度知った上で話す訓練に入っていくと自分の課題も見つかりやすいですし、TOEICスコアが高ければ自信を持って臨めます。
それに単純に会話をする際にはリスニングができないと話にならないのでその部分をまずTOEICで鍛えられるというのはいいですよね。
英会話教室などでは全くの初心者だとネイティブの先生が言ってることすらもさっぱりわからないですが、リスニングを鍛えてきたTOEIC受験者はとりあえず先生のいうことは理解できますので成長も加速します。
TOEICでスコアが取れていれば今後の英語学習も捗ります。
TOEICスコアは就活などのための資格としても使え、過大評価されることも多い
TOEICスコアは過大評価されることも多いです。
初心者の方はTOEICスコア600を持っている人はすごいと思ったりしませんか?
実際はそこまですごくありません。
TOEICは英語ができる指標ではありますが、実際は世間が考えているより簡単です。
短期間ある程度真面目に勉強すれば600程度なら取れてしまいます。
(もし難しいと思うなら勉強法を見直してみましょう)
また英語が話せない理由の一つを先ほど書きましたが、その逆転の発想もあります。
TOEICイコール英語が話せるという認識が蔓延しているから私はこんな記事を書いているわけですが、逆に考えるとTOEICスコアをとれれば英語が話せると見られてしまうわけです。
スコア700くらいとって「おれは英語少し話せるんだぜぇ〜」とホラを吹いてまわっても信じてくれる人は多いでしょう。
単純に見栄をはるためのステータスとしてもいいですね。意識高い系はTOEIC600くらい持っているイメージがありますし。
ただTOEICの価値を知っている人に出会ってしまったら悲しいことになりかねないですが……….
こんな感じで世間では過大評価されることもあります。
このように過大評価されるTOEICですが、これは履歴書にかけますのでTOEICをよく知らない人が採用担当になるとこの過大評価の恩恵を受けられるかも。資格としてコスパがいい気がしますね。
下の記事に就活の視点から書いていますので気になった方は見てみてください。
TOEICはTOEICのためにやろう
ここまでTOEICで話せない理由とメリットを紹介してきましたがいかがでしょうか。
話せないなら受験したくなくなりましたか?
でもちょっと待ってほしいですね。
私はTOEIC受験は価値あるものだと思っています。
もし受験をするか悩んでいる人がいたら是非ともやってみてほしいところです。
ただ英語を話すためという目的ではやってはいけません。TOEICはTOEICのためにやるべきです。
TOEICで高いスコアがとれれば今回紹介してきたようなメリットは確実にありますからね。
これらは結構役に立ちますよ。
しかし話すためにTOEICをやるというのは間違いということです。
英語を話したいならTOEICだけではだめですよ。
まあ話すことの基礎にもなるので英語学習自体をTOEICから入るというのはいいですね。
TOEIC勉強でも続けていれば英語が好きになってくることでしょう。TOEICはそんなに難しくないですし。
また私自身ちょっとTOEICでいい点がとれたからこういうメディアとして発信していますし、TOEIC講師の道も開けますし色々道が開けたりします。
また単純に資格として利用したいという人も持っていて損はないと思います。
TOEICは他の資格と違って合格か不合格ではないので、比較的手軽で簡単に資格のかわりとして取得できます。
実際に挑戦してみると色々見えてくるものもありますよ。
参考になる書籍
今回の記事を書くにあたって個人的に影響を受けたと感じる書籍があるので紹介しておきます。
もし気になった方がいたら手に取ってみてはいかがでしょうか。
難しいことはわかりませんが、英語が話せる方法を教えてください!
CD付 ネイティブなら子どものときに身につける 英会話なるほどフレーズ100 (スティーブ・ソレイシィの英会話シリーズ)
どちらもネイティブ講師からみた日本の英語学習の現状が語られていたりするので面白いです。
終わりに
いかがでしたか。
TOEICでは英語が話せない理由がわかったでしょうか。
TOEICは英語を話すためではなく、TOEICのためにやっていきましょうね。
また英語が加わることで日常生活が少しだけ豊かになります。そのためにちょこっとTOEICをやってみるのも大いにアリでしょう。