こんにちは。
今回はDTMに欠かせない機材の一つであるモニターヘッドホンについて紹介。
モニターヘッドホンがなんなのかということも簡単に紹介し、優れたおすすめモデルについても紹介していきます。
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モニターヘッドホンとは?
DTM・音楽制作では欠かせないモニターヘッドホン。
これは飾りのない原音をそのまま聴くために最適化された音楽制作用のヘッドホンです。
とてもフラットな音質で低音や高音に誇張がありません。
しかしこれはなぜ必要なのでしょうか。普通のヘッドホンではダメなのでしょうか?
これにはしっかりと必要な理由があるのです。
普通のヘッドホンとは方向性が違う
実はみなさんが普段使っているような音楽鑑賞用のイヤホンやヘッドホンは、音源をそのまま忠実に聞かせてくれているわけではないことが多いのです。
音楽鑑賞用のものは音楽を聴くのに最適化された音質なんですね。
例えば重低音なんかはよく好まれたりしますが、鑑賞用のものはそこを膨らませて気持ちよく音楽が聞けるようになっているのです。
それに対してモニターヘッドホンは名前の通り、音楽制作の現場で音をモニタリングするために使われるヘッドホンです。
なのでその音質は低音や高音に偏りがなく、原音そのままの音を聞かせてくれるフラットなサウンドになるようチューニングされたものなのです。
例えばDTMの工程の一つであるミックスではギターやベースなどを一つの音源にまとめるため、細かく音を聞きイコライザーなどで調整していきます。
どの周波数がうるさいかな〜などと音を細かく聞いたりするので、やはり変に調整されていない素の音が聴けるとやりやすいというわけですね。
ちなみにモニターヘッドホンで音楽鑑賞をすると「聞いていてつまらない音」などとよく言われます。
音楽鑑賞用の音質に慣れているとモニターヘッドホンでは物足りなく感じてしまうのです。それくらい普通のヘッドホンには味付けがあります。
このように音質が大きく違うのでやはり音楽制作の場では、普通のヘッドホンではなくモニターヘッドホンが必要になってくるのです。
普通のヘッドホンではダメなのか
やはりDTM機材を揃えていると出費がかさみますので普通のヘッドホンでなんとかならないかと考えてしまいます。
これに関しては、いつかは揃えた方がいいと思うけど少しだけなら普通のものでもなんとかなるかな〜というのが私の意見です。
最初は音質の違いもわかりませんし、DAWの操作などを覚えている段階では音質にこだわらなくてもなんとかなります。
またプロの音を聞いて自分の音源もそれに近いものを目指すことが多いわけですから、普通のヘッドホンでもプロと同じ聞こえ方になっていればうまくいっていると考えられます。
なので最悪普通のものでもなんとかなるでしょう。
ただやはり音の混ざり具合や細かい部分は聞きづらくなってしまいますし、細かいニュアンスを聞き取れず音源の良さを引き出せないということもあり得るのでモニターヘッドホンの方が良いでしょう。
普通のヘッドホンが基準になってしまうというのも良くないですしね。
あと作曲という段階では普通のイヤホンやヘッドホンでもいいでしょう。気分良く曲が作れます。
ただ私自身は最初からモニターヘッドホンで楽しくやってますし、音の組み合わせで細かい雰囲気などが判断しやすいのもモニターヘッドホンだと思うので、やはりDTMではモニターヘッドホンの使用をお勧めします。
モニターヘッドホン選びのポイント
1.評判
こういってしまってはなんかどうにもならない感が出てしまっていますが、モニターヘッドホン選びをする際はとりあえず評判を気にするのが一番かなと個人的には思います。
モニターヘッドホンはどれもフラットなサウンドですし、音質も価格帯が同じであればそこまで差が出ず、ちょっとした部分でしか判断していけません。
なのでいちいち聴き比べするのも大変ですし、人気のモデルから気に入ったものをサクッと選んでしまうのがいいのかなと思います。
特に初心者の方など聴き比べても違いがわからないでしょう。
モニターヘッドホンには超定番モデルがそこまで高い価格帯でなくてもいくつか存在していて、それを選んでいけば間違いないと思います。
今回の記事内でも紹介していきます。
2.音質
モニターヘッドホンはフラットとはいえ微妙に差があるのは確かで、音楽制作にも影響します。
ただ聴き比べるのも大変なので、ここも結局評判をみて買うということになってしまうかもしれませんね。
- 微妙に低音が強い
- 中・高域がくっきりしてる
- 音楽鑑賞にもいける(少し味付けがある)
- 完全にフラットで現音に忠実
などなど単純な音質のクリアさ以外でも特徴があるので確認してみましょう。
例えば低音が少し強ければベースが聞きやすいということなので、低音の処理が重要になるジャンル(EDM系でよりクラブで流れてそうなものとか?)を作りたい方などはこの特性を持ったものを選んでみるといいですね。
3.価格
モニターヘッドホンを選ぶときは値段で選んでしまっても変なメーカーのものでなければ大丈夫です。
モニターヘッドホンはいくつかの価格帯があり、安くても人気のモデルがあったりするのでお金を出来るだけかけたくない人はとりあえず安いものを選んでしまっても良いでしょう。
そして一万円前後からプロでも使えるようなモデルが出てくるのがモニターヘッドホンのいいところで、もし一万円以上出せるのであれば一生使っていけるモニターヘッドホンに出会えるかもしれません。
のちに紹介するSONYのMDR-CD900STなど15,000円ほどで買えますが、スタジオにも置いてあるプロ仕様のヘッドホンです。
またモニタースピーカーやオーディオインターフェイス、プラグインなどはプロ仕様のものとなると恐ろしい値段になってきます。(それぞれ10万とか)
モニターヘッドホンは優れたものが比較的安い値段で手に入る機材なので、ここにお金をちょっとかけてみるというのはいいと思います。
4.付属品
モニターヘッドホンを選ぶ際は付属品についても少し気をつけましょう。
- 変換プラグ(ステレオミニプラグ→標準ジャック)
- ケーブル類
- 収納ケース
などあると便利なものが入っていたりします。
変換プラグなどは入ってない場合は別で買ってこないと、スマホに挿せないとかオーディオインターフェイスに挿せないという事態になります。
まあ、他のものはなくても大丈夫ですが…….あると嬉しいですよね。
モニターヘッドホンおすすめモデル
ここから早速モニターヘッドホンのおすすめモデルを紹介。
4,000円台から超定番モデルまで。
1.SONY MDR-CD900ST
¥15,000〜
SONYの超定番モニターヘッドホンであるMDR-CD900STです。
こちらは日本ではプロからも圧倒的な人気を誇り、スタジオなどにもよく置いてあるプロ仕様ヘッドホンです。
今回最もおすすめのヘッドホンで、まよったらとりあえずこれにしておけ!と言えるヘッドホンです。
値段も他の機材に比べてそこまで高いわけではないので、手に入れやすいプロレベルのDTM機材です。
元の音に忠実でクセのないクリアなサウンドを実現していて、これ以上でも以下でもダメと言えるヘッドホンでしょう。
音質も良く、音の輪郭をしっかりと聞き取れます。
普通にDTMやる分には最高のヘッドホンなので予算内であればサクッと買ってしまっていいですね。日本ではこれが基準となってしまっているヘッドホンです。
- 付属品なし
■ 数多くのレコーディングスタジオで愛用されている音楽業界のハイ・スタンダード
・原音のイメージをそのまま再現するピュアな音質、クッキリと研ぎ澄まされた輪郭と音像。発売以来、数多くのレコーディングスタジオで愛用されている事実が、高い評価と信頼を証明しています。
■ 原音イメージそのままのどこまでもピュアな音質
・レコーディングスタジオやポストプロダクション、放送局など、プロの世界で求められるクオリティと耐久性を徹底的に追求し、独自に開発したドライバーユニットを採用。これによって歪みの少ない原音イメージそのままのクリアな音質の獲得に成功しています。
2.ATH-M50x
¥19,500~
こちらはオーディオテクニカの定番モニターヘッドホン。EDMばかり作ってる筆者もメインで使用しています。
日本ではMDR-CD900STほどの人気はなさそうですが、海外では圧倒的な人気です。
フラットでクリアなサウンドですが、低音が少しMDR-CD900STよりも聞きやすいサウンドです。
個人的にはこちらはクラブミュージックとかを作る人に向いていると感じますね。また音楽鑑賞用としてもいい感じ。
こちらもかなりおすすめです。SONYのものと比べて、デザインの良さや音楽鑑賞用としても気持ちのいいサウンドなどが良いと感じるならこちらも良いかもしれまセン。
MDR-CD900STと迷うなら違いを感じ取るために実際に聞いてみた方が良いでしょう。
MDR-CD900STはATH-M50xとは違う音域がすごく良く、それぞれに良さがあります。
モニターヘッドホンMDR-CD900STとATH-M50x使用感と比較・スタジオモニターヘッドホンらしい広帯域でフラットな特性は、スタジオレコーディングやミキシングはもちろん、DJやトラックメイカーにもおすすめです。
・強磁力45mm径CCAWボイスコイルドライバーを搭載し、情報量の多い、高解像度で音源に忠実なモニターサウンドを鮮やかに実現します。
・遮音性を高める楕円形状の大きなイヤーパッドは、耳に負担が少なく、長時間使用でも快適なモニタリングを行うことが可能です。
DJモニターに必須の片耳モニタリングを可能にする、90度反転モニター機構を採用。また、ヘッドバンドは折りたたみ式で持ち運びにも便利です。
・ヘッドパッド、イヤーパッドは新素材を採用し、摩耗に強い、高い耐久性を実現。
・メンテナンスしやすく、利用シーンに合わせて選ぶことができる3種類の着脱式ケーブルが付属しています。
3.SONY MDR-7506
¥10,000〜
こちらはMDR-900STと同様のSONYの定番モニターヘッドホンです。
海外ではより人気でスタジオ等にも置いてあるようです。
サウンドはとてもフラットですが、MDR-CD900STと比べると少し低音が聞きやすいモデルになっています。
音楽鑑賞用としても良い音質です。
また折りたたみ可能・カールコード採用・ステレオミニジャックなどより使いやすい仕様となっています。
4.ATH-M◯◯x シリーズ
¥5,830~33,000
ATH-M50xはこのシリーズの上位モデルで人気のものですが、実は他にもたくさんの種類があります。
- ATH-M20x
- ATH-M30x
- ATH-M40x
- ATH-M60x(50xより上位モデル)
- ATH-M70x
と価格帯で数字が増えている感じですね。
これらもお金の都合によって検討してみるといいでしょう。
どれもしっかりとしたモニターヘッドホンたちです。
5.AKG K240 Studio
¥5900〜
AKGのセミオープン型のモニターヘッドホンです。
海外ではプロも使用しているモデルで、セミオープン型特有の立体的で自然な音の広がりと音抜けの良さが特徴です。国内でもDTM用として人気です。
フラットで癖のないサウンドでモニターヘッドホンとしてしっかりと使える上、値段も安くとてもコスパの良いヘッドホンです。
6.YAMAHA HPH-MT8
¥23,600〜
YAMAHAモニターヘッドホンです。
他のものより少し高価なこともあり優れた性能を持っています。
音質もとてもフラットで偏りがなく、クリアなサウンドで使いやすいモデルとなっています。
YAMAHA HPH-MT8 スタジオモニターヘッドホン サウンドハウス
7.Classic Pro CPH7000 密閉型モニターヘッドホン
¥4,378
サウンドハウスが提供する格安でそれなりの品質のClassic Proのモニターヘッドホンです。
圧倒的に安い値段でありながらモニターヘッドホンとして人気のモデルで、DTM用途にしっかり対応したヘッドホンです。
レビューにはハイエンドモデルと比べても遜色ないサウンド!という声も散見され、非常にコスパの良いヘッドホンですね。
最初はこいつから入ってみて慣れてきたらいいものを買うというのも良いかと思います。
こいつは予備のヘッドホンとしても活躍するはずです。
8.AKG K240MK2 セミオープン型モニターヘッドホン
¥9,600〜
AKGのセミオープン型ヘッドホンです。こちらもセミオープン型なので音抜け感・広がりが優れています。
こちらも世界で使用される人気モデル。低域が聞きやすくダンスミュージック系にも適していて、音楽鑑賞にも向いています。
AKG K240MK2 セミオープン型モニターヘッドホン サウンドハウス
9.K271MK2 密閉型モニターヘッドホン
¥9,537
AKGのモニターヘッドホンでこちらは密閉型です。
フラットでクリアなサウンドで、リスニング用としても気持ちのいいサウンドのヘッドホンです。
AKG K271MK2 密閉型モニターヘッドホン サウンドハウス
モニターヘッドホン おすすめの価格帯
モニターヘッドホンにはかなりの種類と価格帯があり、さらに人気のモデルも多いです。
なので初心者の方は迷ってしまう可能性があります。
音の良し悪しも最初の段階ではあまりわかりません。
なので値段で決めてしまうというのもアリです。
そこで簡単な基準を設定すると、
- 1万円〜・・・プロレベルにも対応したしばらく使っていけるモデル
- 4千円〜7千円・・・いつか買い換えるといいが最初は十分に使っていけるモデル
という感じに分けられます。
なので一万円以上出せるならSONYのMDR-CD900STやATH-M50xなどをサクッと選んでしまうと、それからのDTMは壊れるまでこれらで十分でしょう。(そのうち複数欲しくなりますが)
この価格帯でプロレベルの機材が手に入るので思い切って買ってみてもいいですね。
そしてそれ以下のものも音質的にはフラットで割とクリア。しっかりとDTMできます。
ただそれ以上と比べると見劣りするのでいつかいいものを買うということで、それくらいから始めてもいいでしょう。
私自身低い価格帯から高いものにアップグレードしたときはやはり驚きました。
開放型と密閉型
おそらくモニターヘッドホンを調べていると開放型と密閉型みたいな言葉が出てきているでしょう。
これはヘッドホンの構造の違いをさしています。
開放型はヘッドホンの外側がメッシュのような感じで穴がたくさん空いていたりするもので、密閉型は空気が抜けそうな穴がないものです。
密閉型の方がその名前のイメージ通り、遮音性が高かったりしっかりとした低音が保たれるということが言われることがあります。
逆に開放型は音漏れなどはしやすいものの、音抜けや広がり感が優れています。
ただこれに関しては正直どちらでもいいでしょう。
とりあえずDTMをやるために買う!というならここが違うからと判断する必要はそこまでないです。
終わりに
いかがでしたか。
今回はモニターヘッドホンについてでした。
モニターヘッドホンがあればDTMがかなり捗りますので是非手に入れてみてください!
オススメはMDR-CD900STかATHM50xですね。
モニターヘッドホンは長く使用したり頻繁に使用すると、イヤーパッドが劣化してしまうのでその対策として交換用イヤーパッドというのもあります。長く使いたい方は覚えておくと便利です。
モニターヘッドホンだけでなくオーディオインターフェイスやDAWをセットにしたDTM入門セットも存在しているので、初心者の方はそういったものを試すのもいいですね。