こんにちは。
DTMでソフトシンセを使うジャンルでやっていると一度は必ず考えることが、シンセのプリセットに頼るかどうか。
これに関してはおそらく様々な考え方があるかとは思いますが、ここで私の意見を語らせていただきます。
な〜んかシンセのプリセットは良くないとかプリセットから離れたいとかいう風潮がある気がするので、そこでちょっと意見を述べたいなと思った次第です。
ただシンセの用途は様々で一概に言えるものではないということだけ最初に言っておきますね。
それぞれの制作スタイルや動機で変わってきます。
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ソフトシンセのプリセットは使え!
いきなりですが、シンセのプリセットは使えというのが私の意見です。
フル活用すべきですね。
音作りが面倒ならプリセットで十分です。
なぜ似たようなサウンドがあるのにわざわざ自分で最初から作る必要があるのでしょうか。
変なシンセでなければプリセットは作り込まれているものが多く、それだけで結構即戦力なサウンドですし、プリセットからイメージに近いサウンドを探してきて近づけるというだけでもかなりのパターンが作れるでしょう。
そして、それでも自分で最初から作るんだ!と作ってみても結局プリセットに近いサウンドになってしまいますし、プロが作ったプリセットに勝てるかというとそうでもありません。(満足感は高いですが)
それをわざわざ一からつくるというのは非効率的です。
つまりプリセットを使うというのは“手抜き”ではなく時間短縮のための作業の効率化ということですね。
シンセだから音作りはしなきゃいけないと考えるのは真面目すぎるのかもしれません。
(ただここは、時間短縮をしたいとかプロを目指したい方向けではあります。)
またシンセのプリセットというのはシンセのサウンドの傾向を反映していることも多いです。
つまりプリセットから大きく外れたサウンドはそのシンセで作ろうとしても作れず、シンセ自体を変えなければならないということになるのですね。
もちろんアナログシンセサウンドが持ち味のシンセではデジタル感あるシンセの音は作りづらいでしょうし、シンセによって派手なEDMサウンドが得意なものと控えめなBGMにあうシンセなど色々あります。
そしてそれはプリセットの音を聞いてみるだけで大体の傾向がわかってきます。
ということでプリセットにないサウンドは自分で作ってもなかなか作れません。
似た傾向は作れることもありますが、どうも音の明るさなど質感が違っていてイメージ通りになりません。
なのでどうするのが賢いかといえばやはりちかいイメージのプリセットを使う事でしょう。
ただ一部では複雑なアルペジオパターンやいくらか音を重ねて作る不思議な雰囲気のサウンドもあったりと、ジャンルに沿ったテクニックも存在していてそういうのはプリセットには無いことが多いので、各個人がジャンルに沿った音作りの知識があるというのも重要です。
プリセットの使い方としてはとてもシンプルで、いくつかメロディやコードを作ってそれでプリセットを読み込むだけです。
それだけでシンセ系の曲は形になりますからそんな感じで作ってしまってもいいと思いますよ。
プリセットはプロも使っている
シンセのプリセットがなんとなく使いづらいという方は、プロも使っているということを考えれば使いやすくなるのではないでしょうか。
プロもプリセットを活用することの価値をわかっているということでしょう(多分)。
私の好きだったEDMプロデューサーも解説動画では、音作りをするというより作曲してからシンセのプリセットを当てはめてみてイメージに近かったら採用という感じで、プリセットを活用しまくったハイパープリセットマンでした。(裏側では多少編集してるとは思いますが)
またこのお話をより強調できるのがシンセのNexusの存在です。
これは操作性自体はシンセですが、シンセというよりはシンセのサンプルを鳴らすサンプラーのような存在で、プリセットから音を選んでそのまま使うというのが前提のものです。
そしてこのNexusは世界的に高評価でかなりの支持を得ている定番シンセです。もちろんプロも使っています。
こんなものが使われているくらいなので、音作りを自分で行うという行為はそこまで重要ではないんですね。
賢く素早い音楽制作を可能にするのがプリセットなのです。
Nexus 4シンセのセールはいつ?どうせなら安く買おう。シンセによって出せるサウンドは微妙に違う….
先ほども少し書きましたが、ソフトシンセによって出せるサウンドは微妙にちがいます。
そしてシンセのプリセットは大体のサウンドの傾向を映し出しています。
つまりいくら一つのシンセで音作りを頑張ったところで限界があるということですね。
プリセットにイメージ通りのサウンドがない場合はもはや作れないのかもしれません。
DAW付属のシンセや様々な有料シンセを触ってみましたが、それぞれ設定は同じにしても微妙に音の太さや音質が異なっていて向き不向きがあります。
私自身今でもEDMを作るときには太くて派手なサウンドが欲しいパートはこれ、細いけどキレのいいサウンドが欲しい時はこれ、変な音はこれとシンセを使い分けています。
プリセットが使えないのではなくシンセ自体が向いていない可能性があるので、そこはお金がかかりますがシンセを新しく買ってしまうと解決するかも。
プリセットでダメなら、
- ジャンル別の音作りを調べる
- シンセを変更する
という順番で試すと解決するかもしれません。
プリセットは別に使わなくてもいい
音作りを楽しむならプリセットなど使わなくていい
さて、ここまでプリセットについて語ってきましたが、別に「プリセットは使え!」と圧力をかけている訳ではありません。
音楽制作だけでなくシンセ自体を楽しんでいる人はプリセットなんて使わなくてもいいでしょう。
DTMはプロよりも趣味でやっている人の方が多いでしょう。
その中でシンセの音作りを楽しめているのならそれは良いことです。
私自身シンセをいじくり回しているとなんか細かいことしてる気分になれて楽しいですし、音の変化も面白いですね。
そんな感じで音作り自体を楽しむならプリセットなど無視していいでしょう。
先ほども言いましたが逆にプリセットは使うべき人はシンセの音作りは最小限にしたい人やプロを目指す人でしょうね。
やはりプロを目指す人は効率的に曲を作れる方が良いのでプリセットは最大限に活用すべきです。
柔軟な考え方が必要
最初にも言いましたがプリセットを使うべきかは一概に言えないというのが正直なところ。
例えばもしサウンドクリエイターを目指すならプリセットを使うべき時とそうでない時がありそうですね。
普通にBGMを作るだけならプリセットで十分だとは思いますが、変な効果音を作りたいとかならもはやそれに使えるプリセットはないでしょう。
自分でなんとかする必要があります。
まあつまり自分がどうしたいかによって柔軟な考え方が必要ということです。
サウンドクリエイターに限らず。
どのシンセのプリセットになさそうな変な音をイメージしてしまったら自分でなんとかする必要がありますね。
結論としてはプリセットは活用できるならすべきで、そうでない場合は自分でなんとかしなければいけないということですね。
プリセットを生かせる!と考えた場合はもう使ってしまいましょう。
まとめ
- 素早い音楽制作のためにはシンセのプリセットは使うべき
- プリセットは効率化のために使える
- プロも使っている
- 音作りを楽しんでいるなら必ずしも使うべきものではない
- 時と場合によって判断しよう
まあ特にEDMプロデューサーとかを目指すならプリセットで十分ではないのでしょうか。
そうでなくてもある程度定番サウンドが決まっているというジャンルならプリセットで十分です。
定番なサウンドなら大体プリセットか追加プリセットにあります。
あるなら使ってしまいましょう。楽ですよ。
追加プリセットも有効
Avenger、Serum、Spireなど高価なシンセではかなり多彩な音作りが可能になっていますが、人気のシンセでその分有料の追加プリセットも多く出回っています。
Avengerは公式が作ったジャンル別追加プリセットがありますし、SerumやSpireではSpliceやそのほかの各社が追加のプリセットを販売しています。
これらも是非使ってみてほしいですね。(公式でないものは微妙にあたり外れがありますが….)
ジャンル別の特殊な音作りも解決できます。
もしお金に余裕があるならこれらを買うだけでもかなり音楽制作が楽になると思いますよ。
プリセットはサンプルと比べても比較的安い値段で買うことができますし。
追加のプリセットはジャンル別で分けられていることが多いので、もし作りたいジャンルのものがあればそれを使ってしまえば特に音作りに時間をかけることなく、それっぽいサウンドを使用できてしまいます。
トランスやダブステップ、EDMのようなシンセが重要なジャンルはもちろんありますし、EDMの中でもFuture系やプログレッシブハウス、ビッグルームなどの細かいジャンルにも対応していることもあります。
買えるなら買ってみることをおすすめします。
さらにそこからエディットすれば様々なサウンドを再現できますね。
金で面倒な知識とかテクニックの問題を解決できるなら安いもんでしょう。
プリセットは使っても知識はある方がいい
プリセットを使うのは時間短縮のためということですが、知識がなくていいということではありません。
プリセットはもちろんいいサウンドが揃っていますし、使えば簡単なのでどんどん使うべきですが、それだけではやはり足りません。
プリセットはそこからエディットすることでさらに輝くのです。
プリセットはかなりのパターンが入ってはいますが、やはりなんかちがうな〜と感じることも多いです。
なのでエディットできるシンセの知識も必要なんですね。
プリセットを使うというのは頼りきりにするということではなく、それを活用せよということなのです。
プリセットが1000個収録されていたらそこから簡単なエディットだけでも数千通りにパターンを増やせます。
このようにプリセットからシンセを使えばかなりのパターンのサウンドが使えるようになるでしょう。
プリセットはある程度のシンセの知識とともに使うことで真価を発揮するのです。
AmpとFilterのエンヴェロープだけ覚えるだけでも大きく変わりますよ。
プリセットで学ぶこともできる
プリセットの活用方法はそのまま使うだけではありません。
プリセットをコピーすることでかなり様々なことが学べます。
シンセを二台立ち上げて、片方に好きなプリセットを設定したあとそれをみつつもう一つをプリセットと同じサウンドになるようにセッティングしましょう。
そこで同じ音にするにはかなり色々触ることになるでしょう。プリセットは結構作り込まれてますから。
そのようなことを繰り返すだけでシンセについてかなり知ることができると思いますよ。
本を読んで覚えるのもいいですが、それだけではしんどいという方はプリセットの真似をしてみるのも楽しいと思います。
複数のプリセットを繰り返しコピーすれば、どの波形がどんな雰囲気の音を出すとかだんだんわかってきますし、変化させたいパラメータを迷わず使えるようになります。
私も実際にやってみましたが、割とおすすめなシンセ勉強法です。各パラメータの名称と効果をなんとなく知っていたらできると思います。
終わりに
プリセットは使えよ!というお話でした。
結構グダグダな記事になってしまいましたが、とにかく伝えたいことはプリセットに使い所があるならぜったいに使った方がいいということです。
プリセットだからなんとなく使わないというのはもったいないことしてますよ。